第3章  春のバースデーと初夏のお休み

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「もちろん」 私は、きっぱりと頷いて彼に笑いかけた。 「さすがにね、しばらくは安奈ちゃんも落ち込んでるのがバレバレで、 ちょっと可哀想なくらいだったんだけど。 でも、昨日あたりからは、ようやく少し元気も出てきて。 『女子力付けて、もっとイケメンゲットします』なんて、冗談も言ってた。 まぁ、完全に立ち直るには、もうちょっと時間が必要かもだけどね」 うん……。 そして、少し項垂れる彼に、私は「でもね」と続けた。 「彼らがダメになっちゃった分も、私たちは仲良くしようね」 まだ俯いたままコクンと頷く彼のトーストに、ハムを一枚のせる。 「それで、お誕生日の献立は何がいい?」
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