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「ナッちゃん、ギュッてしたい。ギュッて、していい?」
まさに、お預けを一生懸命守る子犬のような彼に、
私は、思わず苦笑をしつつ頷いた。
それと同時に、待ちわびたかに、思いっきり彼の腕の中に抱きすくめられる。
「ナッちゃん……。ナッちゃん、会いたかった」
フフッ……。
こんなに真っ直ぐに私を求める彼が、ものすごく愛おしい。
「冠くん、お誕生日おめでとう」
すると、「ありがとう」とくぐもった声が返ってくる。
しかし、
「ナッちゃん……」
ふっと腕を緩めた彼の顔が、極、自然にそっと近づいてきて、
私は、ちょっと慌てて止めに入った。
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