第3章  春のバースデーと初夏のお休み

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「冠くん……」 だが、もちろん拒否されたと思っただろう彼は、悲しげに瞳を揺らして 聞いてくる。 「キスは、ダメ?」 「そうじゃなくて……。冠くん、メール見てくれた?」 そして、案の定だった。 「えっ? メール?」 ひどく驚いた面持ちになった彼が、「ごめんなさい、気付かなかった」と 急いで足元のカバンを拾い上げる。 そして、 「えっ……」 にわかに絶句した彼は、思った通りに、その場で凍り付いた。
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