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そして、
「ナッちゃん」
「ん?」
「好き」
「うん、私も冠くん、好きよ」
「ナッちゃん」
「ん?」
しかし、ここで少し押し黙った彼から淡い吐息が零れてきた。
だから、
「冠くん、すごく間が悪くてごめんね。
でも、ちゃんと、お祝いの用意はしたよ。
だから、ハッピーバースデーしよう?」
しかし、宥めるように言ってみるが、
彼は、まだ押し黙ってじっと私を抱きしめる。
そして、
「うん……」
私の肩に顔を埋めてようやく小さく頷き、
ちょっとだけ残念な彼の誕生日祝いが始まった。
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