第3章  春のバースデーと初夏のお休み

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~ *** ~ 正直、誕生日に彼女の予定日が早まったことは、思いの外ひどく 僕を落胆させた。 しかし、僕がエッチだけで彼女を求めているみたいに思われるのが嫌で、 必死に、その感情を隠したつもりだった。 現に、彼女が作ってくれたグラタンはすごく美味しくて、 ケーキの代わりにと、大きな箱いっぱいのフォルトゥーナのチョコレートも 用意してくれていた。 そして、それを二人でゆっくりと味わい、 渡されたプレゼントは、驚いたことに腕時計。 「ナッちゃん、これ……」 ビックリするような贈り物に僕が戸惑っていると、 彼女は、微かに苦笑を広げる。
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