24人が本棚に入れています
本棚に追加
しかし、たぶん彼女は、こんな僕の隠し事などお見通しだったと思う。
それが証拠に、食後に、二人でゆっくりとシャンパンを飲んでいる時、
彼女は、間近に迫ったゴールデン・ウィークの話をこう切り出してきた。
「あのね、今回は安奈ちゃんが、すごく協力してくれて。
私は、飛び石になる連休前半の出勤にしてもらえたの。
だから、後半の四日間のお休みは、ずっと冠くんと一緒。
今日、出来なくなっちゃった分、一日、仲良くしてもいいし、
冠くんが好きなようにして過ごそう?」
そんな彼女の気持ちは、すごく嬉しい。
けれど同時に、すごく自分が恥ずかしくなる。
だから、自然と視線が膝の上に落ちていった。
最初のコメントを投稿しよう!