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「あのね、ちょっと手間をかけさせて悪いんだけど、
帰って来る金曜日に、響くんが夕飯に食べたい物を
さり気なく探り出して、メールもらえない?」
「えっ……?」
なんか、嫌な予感がした。
そして、「どうして?」と尋ねた僕に
彼女は、楽しそうな面持ちを向けてくる。
「安奈ちゃんとね、サプライズをしようと思って」
「どういう事?」
益々、僕の中で嫌な予感が広がり、不安となって変な動悸がうるさくなる。
そして、
「安奈ちゃんたち合いかぎ交換をしてるみたいだから、
響くんが食べたいって思ってる物を作って帰りを待ってたら
喜ぶだろうなって。
あっ、もちろん私は、彼が帰って来る前に退散するわよ」
なんだか、自分の事のようにワクワクを浮かべる。
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