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「ちょっと、ソウマ!」
「お、うまく撒いたか?」
「さっきのはどういうつもり?」
「ん? 不細工じゃないしもっと自信を持てばいいんだよお前は」
「うーん……?」
「……あー。
つまり、俺は一応ストレートだ。心配すんな」
「……そっか。良かった」
「仮にそうだったとしてもお前になら振られてもいい。もし目覚めたらしっかり告白してやるからスパッと振ってくれ」
「……あっそ。なんか無駄に疲れた気がする。
で、ツキがある女って何? 好きなタイプとか初めて聞いた」
「ああ、そうだな。話しても誰も分かってくれないし……。
純潔や優れた美人もいいが、しとやかとか豊かな教養も捨てがたいと思ってる」
「……へぇ~」
「でも最近は冷静が一番だな。白くて小さいのが可愛らしい」
「えっ好きな子いるの? 誰?」
「居ねぇよ。やっぱお前にも伝わらんか。
これだこれ」
そう言ってソウマは自身のスマホを僕に見せてくれた。
「……あぁ、なるほど。
僕はしとやか、豊かな教養が好みかな」
「ほぉー」
花屋の隣に住んでいるだけでこんなに花は好きになるのか疑問だ。
ソウマのスマホの画面には、花言葉と共に、白くて小さな可愛らしい『桜』が微笑むように咲いていた。
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