3話 野良人

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3話 野良人

 ONIに住居を追われた人間たちは外で暮らすようになった。  ONIに飼われている人間以外は、ネズミのように勝手にどこかに住み着こうとしても気絶させられて追い出されてしまうか生命を絶たれる。  外であればONIの住宅が密集しているところでも人間を襲うONIはまずいないが、たまにそうではないONIもいるため外を出歩いているONIを見かければ人間は避けたり逃げようとする。  人間の多くはボロボロの衣服に身を包んでいる。  しかし食は意外と豊富である。  ONIは人間の畑や畜産物を襲うことがまずない。  海の漁場を襲うこともない。  ただしONIにも個性があるためたまに襲うONIもいる。  外であれば人間の学校や仕事の一部は成り立っている。  それでも文明の大半は失われてしまった。  人々の間では宗教が盛んになり、宗教家がスターであるかのようなポジションになっている。  外で暮らす人間はONIに飼われている人間との比較から野良人(のらびと)と呼ばれ、自らを野良人と称する人間も珍しくはない。    
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