25人が本棚に入れています
本棚に追加
次にごとりと音がして、俺は自分の体を見上げる事になった。
確かに痛みは無かったし、意識も途切れない。
が、幾らなんでも首を切るのはやり過ぎじゃないか?
そう思って神様に文句を言おうとしたが、声が出ない。
どうやら体の方に声帯を持って行かれた様だ。
「それでは少々お待ち下さい。」
神様は俺の体を適当に担ぐと、空間をドアの様に開けて出て行った。
「ミリィ、これを洗濯して聖水に付けておいてくれ。」
「はーい、って人体ぃい!!!」
ドアの外からはそんな会話が聞こえてきた。
(ていうか、ここ室内なんだな。宇宙空間みたい感じたけど。)
視線をできる限り左右に振ると右側の方にプラネタリウムの装置が有った。
(俗っぽい!!)
「タケルさん、これはすすぎ洗いですか?揉み洗いですか?」
「揉み洗いにしておこう、聖水に付けて伸ばしてからすすぎ洗いだな。」
(ミリィって人、順応力高いな・・・。)
俺は首だけにされた自分の事を棚に上げてそう思った。
「あ、そうだ!タケルさんのパンツも一緒に洗ってしまいましょう!」
(やめて!!人の体と一緒にパンツ洗わない・・・で?体?)
そう、彼女が今洗おうとしているのは俺の体だ。
(洗うって事は服を脱がして、勿論全部脱がすだろうな・・・。)
「あ、うふふ♪タケルさんの方が大きいですね。」
(見られたぁああ!!しかも笑われた!!)
「ふんふんふ~ん♪」
何かゴリゴリとか、ザクザクとか、ドリルの音とか聞こえてきた気がするが、俺はショックと羞恥心でどうでも良くなっていた。
「タケルさん、洗い終わりましたよ。」
「ああ、有難う。ん・・・。」
「ん、あ、ちょ・・・今日はお客さんもいるんですから駄目ですよ。」
「彼なら寝ているから大丈夫だ。」
その後、なんか色々と自主規制な音が聞こえて来たりしたが、体がない俺は耳も塞げず、眠りにつくまでそれを聞かされ続けた。
翌朝、俺は昨日の女性の悲鳴で目が覚めた。
(何だ?ラッキースケベイベントでも起きたか?)
「何で!毎朝!お風呂に落とすんですか!?たまにはキスでお目覚めしたいですよ!!」
「キスで起きた例が有ればそうするがな、お前はキスじゃ起きないだろ。」
その後喧嘩なんだかイチャイチャなんだか判らない会話が始まり、いつの間にか昨晩の続きが始まった。
(帰りてぇ・・・。)
最初のコメントを投稿しよう!