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それから3時間、昨日のように眠気も来ず、ただ夫婦の営みを聞かされた。
(もう、生き返らなくて良いから・・・ここから出せ!!)
神様は音が消えて15分くらいでやって来た。
「お待たせしました。準備が出来ましたよ。」
(やっとだ、やっと解放される・・・。)
神様は俺の首を持ち上げると、胴体の上に乗せた。
「朝っぱらからおっぱじめてんじゃねぇよ!!」
「いきなりなんですか?うるさいですよ。」
やっと声が出た。
「それにもう昼過ぎです。」
「どうでも良いわ!さっさと生き返らせるなり、なんなりしてくれ!」
「全く注文の多い人だ。」
神様はやれやれと言った感じでそう言うと俺に数枚の紙を渡してきた。
「それに描かれているのは、貴方が転生した時の状況です。」
その紙には名前、性別、住所、年齢、生年月日、家族構成、趣味、生まれてから俺が目覚めるまでのエピソードが書いてあった。
「ガウリール・アランディアってのが俺が転生した時の名前か・・・。5歳か・・・。え?貴族なの?」
「人格矯正も兼ねて貴方には子供からやり直していただきます。」
「な!?そんな悠長な事してて良いのかよ!?魔王が居るんだろ!?」
「正確には貴方が転生して、10年後に魔王が現れる予定となっております。」
案外猶予が有るじゃん、何でこんなに早く転生させるんだ?
「貴方が予定より早く死んでしまったため、この様な事になったのですよ。」
俺のせいかよ・・・。
「では、転生させます。心の準備は宜しいですか?」
「ちょっと待って、俺にはどんな能力が備わってるんだ?」
「鍛えれば鍛えた分だけ強くなる能力でございます。言葉通り、人間の限界をはるかに超えて強く、賢くなることが可能なのです。」
「そんだけ?」
「後は、魔方陣を読み解く魔眼と才能を5つ入れておきました。」
才能って入れる物なんだ・・・。
「何の才能かを教えてしまうと、10年間退屈してしまうかも知れませんので、それは自分の力で見つけて下さい。別に見つけなくても、鍛えれば魔王を倒す事が出来ますので、本当に暇つぶしでございますね。」
あんまり大した才能は無いのかもしれない。
料理とか剣術とか、魔法の才能だったら良いけど、筋トレとかの才能だったらちょっと地味過ぎて萎える気がする。
「他には何かございますか?」
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