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「お前も、体の調子が戻ったら体を鍛えろよ?」
「お待たせ、自分で食べられる?」
「お前今俺が良い事言おうとしてただろうが、空気読めよな!」
「どうせろくでもない事でしょ、筋肉は素晴らしいとか、筋肉こそ至高とか。」
「きん・・・にく。」
「な!?ちょっとあんたね!!ガウリーに変なこと教えないでよね!?」
「まだ教えてねぇよ!!」
つまりいずれ教えるつもりだったと?
「それより、リンゴを持って来たわよ、食べられる?」
鉛のように重たい腕を動かしてスプーンを持ち上げる。
食べる前にくじけそうだった。
「むりそうなら私が食べさせるから、無理しなくていいのよ?」
そうは言ってくれるが、いい加減食事位は一人でできないとよろしくない。
「おい・・・しい。」
ようやく一口を食べたところで、腕が限界を迎えた。
「しょうがねぇなぁ・・・ほれ、口を空けろ。兄ちゃんが食わせてやる。」
あーんしてくれるなら、女の子の方が良いんだけど・・・。
何てわがままを言って居る余裕はない、とにかく食べて体力を付けないとこのまま世話になっていてはこの二人の生活にも支障をきたす。
とにかく今は助けてもらいながらでも体力を付けて動ける様にならないと。
「ちょっとバカ兄貴、ガウリーの世話は私がするんだから、アンタはあっちに行っててよ。」
「バカはお前だ妹、ガウリーだって男なんだから、女の前じゃかっこ付けたいに決まってるだろ?男心の判らん奴だ、そんなだからいまだに彼氏の一人もいないんだろ。」
「恋人くらいいますー!世界中の患者さんが私の恋人なんだから!!」
「気の多さを叱れば良いのか、仕事が恋人だと言って居る事を哀れめばいいのか・・・。」
「うるさいわね!!あんただって童貞じゃないの!」
「ど、どどどど童貞ちゃうわ!!」
二人がギャーギャー騒いでいる内に、リンゴは食べ終わってしまった。
(寝るか・・・。)
言い争う二人に背中を向けて横になる。
布団の中で足を動かしたり、手を握ったり開いたりして軽く筋トレをする。
やがて言い争っていた二人は静かになった。
「とりあえず、お二人はこちらに来てください、就寝中の子供のすぐそばで騒ぐものではありませんよ。」
「「だってこいつが!!なに!?」」
「仲が良いのは結構な事ですが、病人を巻き込まないようにしてくださいね。」
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