『その桜色』

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『そろそろ、咲くのかな。』 まっすぐにこちらを向いて、けれど、少し眩しそうに目を細めて、彼女は呟いた。 __ たぶんね、去年もそうだったから。 僕がそう答えるタイミングで、彼女は手にしていた小説をぱたりと閉じた。 『今年も、見られるかしら。』 そして、目を閉じる。
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