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夢の中、僕は六歳になっていた。
親戚の家に行った時の記憶だろうか?
隣には岳人がいて、手を繋いでいる。
確かお正月に集まった事があったような気がする。
叔父さんが買ったばかりのカメラをルンルンと出して、記念撮影をしようと言い出して、みんなで並んでいたのだが――
『ううーん、勇人君、眠いのかな?』
叔父さんはカメラから目を話して言った。
僕は首を振った。
『眠くないよ』
『そうか?じゃあ、もうちょっと、大きな目を開けて笑ってみようね!?』
……ががーん。
僕は、その時一生懸命目を見開いて居たのに。
この時、自分が極小の目力しか持っていない事に気がついたのだ。
そして、小学5年の時。
バレンタインに女の子二人が尋ねてきて、岳人へのチョコレートを置きに来た事があった。
丁度岳人は不在で、僕が玄関口に出た時の、二人の
『 見たいのはテメーの顔じゃないんだよ』
的な倹を含む表情が、心に多大なるダメージを与えた。
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