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「うう~うう……」
過去の夢にうなされていた僕だが……
――ぬらぬらぬらぬら……
何か不気味な声が聴こえる。
――ぬらぬらぬらぬら……
それに体が重い……
誰かが乗ってるみたいな――
ドスン!!
「ぐええっ」
鳩尾に何か衝撃が加わった。
瞼を開くと、目の前に知らない女の顔がドアップであった。
「ひいいいい」
悲鳴を上げて布団を頭まで被るが、ひとりでに布団はつつ、つつ、と剥がされて僕の身体はフワリと宙に浮く。
黒い尖った帽子を被り、腰まである長い髪をゆらさせた女王様メガネの女。
足元まで被さる黒い長いドレスを纏い、箒にまたがり僕をじっと見ている。
「お……お前誰だよ!」
「°▽°)°▽°)°▽°)
ぬらぬらぬらぬら……
わたくしは魔法使いぺコリーヌ」
夜の闇全部に響き渡りそうな不思議な声で女は言った。
僕は宙に浮きながらバタバタもがき喚いた。
「魔法使いって……なんだよ!怪しい占い師にしかお前見えないぞ!」
「……°▽°)おい。勇人。お前今
『魔法少女じゃなくて オバサンじゃん。きめえよ訳わかんねーよどっか行けよ』
とか思ったかい?」
「……そ、そこまで思ってない!!……て、何で僕の名前!?」
「 °▽°)°▽)……
わたくしは魔法使いぺコリーヌ。鬱屈した少年の心がわたくしを呼ぶ声が聞こえたのだよ……だからお前の所にやってきたのだ」
「呼んでねえよ!……うぎゃああ」
ぺコリーヌが星のスティッキを振ると、僕の身体が逆さまになる。
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