出逢いは悪夢の中で

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中学二年になって、強制的にやらされた自己紹介。 そこで僕は痛恨のミスした。 「……す、鈴木勇人(はやと)です……特に特徴は無くて地味な自分ですが、よ、よろしくお願いします」 緊張から訳の解らない事を口走ってしまった。 途端に教室は爆笑に包まれた。 芸人なら、この爆笑を 『ウケた』 と捉え喜ぶも知れないが、決してボケた訳じゃないんだ。 クラスの皆は、僕が次に何を言うのか期待して見ていたが、勿論そんな器用な事ができる訳も無く赤くなり俯いた。 「君のニックネームは、地味だから『ジミー』だな!」 「ジミー!がんばれよwww」 「ジミー!」 「ジミー!(笑)」 「ジミー!(爆)」 「こら。静かに――!」 担任のウッチー(内山)がその場を収めてはくれたが、笑いを噛み殺してやがる。 僕が口元を引き攣らせながら着席すると、後ろの席から自己紹介が始まった。 「河本茜(かわもと あかね)です。部活は音楽部です。」 (可愛い声。それに凄くハキハキしてんな?。 何で他の奴らはこんな緊張する状況でも噛まずに冷静に喋る事が出来るんだろう……度胸が通常の人間の千分の一程度も無い僕には無理だ…… どうせ僕は…僕は……)
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