マイ・ラブリー・テデイベアー

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ちょんちょん。 「むむむ……」 つんつんつん。 「う――んう――ん」 「ふんぎゅっ!」 目を開けると茶色いモサモサした物体が僕の顔面に張り付いていた。 「ハハハハハ!勇人――!オハヨー!!」 岳人が、クマの人形を顔に押し付けていたのだ。 「……」 無言で睨む僕に、岳人はクマをポイっと投げて鼻を鳴らす。 「何だよその不満そうなツラは? 朝一番登校したいから早く起こしてくれって頼まれたから、こうして優しく起こしてやったのに」 僕はため息をつきクマをベッドサイドに置いた。 「普通に起こせよ」 「はあん?最初は普通に声かけたぞ。三度位な。でもお前はその豆粒みたいな瞼をピクリともさせなかったから、クマの力を借りたんだぜ? 弟の頼みを聞いてやった慈悲深い兄に対してさあ? 、お前、その目をちょっと潤ませて 『ありがとうお兄ちゃま!この恩は必ず返すよ!僕は一生お兄ちゃまのパシリでもいいよ!』 ↑↑とか! 嘘でもいいから言って見ろよ!」
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