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「あ――そうだ。俺、今度の『クレッシェンド』
のライブ、行けないわ」
岳人は、冷蔵庫から出したバリバリ君アイスをかじりながら言った。
「ええ!?行けないって」
「野暮用でムリなんだよ」
「もともと岳人が行こうって言い出したからチケット取ったんじゃないかよ」
「メンゴメンゴ!」
「……何にも悪いて思ってないだろ」
「他に誰か誘えばいいだろ?クレッシェなら行きたがる奴沢山いるだろうよ。
ガールフレンドと行けばどうだ?」
「ぶ――――っ」
僕は盛大に珈琲牛乳を噴いた。
「きったね――な――」
「げほっげほっ……
岳人が変な事言うから悪いんだぞ!」
♪君は旋律(恋)を奏でた
君は旋律(恋)を撒いた?
岳人のスマホから着メロが流れる。
「もしもし?……うん。うん。……そんな訳ないだろ?俺が一番愛してるのはアケちゃんだけだって☆」
電話でイチャイチャ始めた岳人を見て僕は溜息をつき、噴いた珈琲牛乳を拭き取り2階の自分の部屋に上がった。
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