第一話

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「よーし! 好調!」 スペアが決まって、俺は思わずガッツポーズした。  「何だよ、最近お前なんかずっとノッてない?」 細めでヒョロっとした、よく悪ノリの先頭を切る奥村ことオクが囃し立てた。 「なんか、コツでも掴んだのか?」 律儀で硬派、動かざること山のごとしの春川ことハルが問いかける。  「えーだったら僕にも教えてよ? いつまで経っても上達しなくてさ?」 小柄で童顔な皆藤ことカイが、せがんだ。よく言えば無邪気、悪く言えば子供っぽい。 最近よくツルンでる三人だ。  「流れだよ流れ?」 確かに、俺(青葉ことアオ)はかなり今ノっているのかもしれない。最近なかなか興味深いアプリも手に入れたし。 ただ、何度か学校でも試してみたが、まだいろいろ手に余るっていうか、もっといろいろ検証実験したいところだ。 今日は、気の合う予備校仲間とよく行くボウリング場に来てストレス解消していた。 
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