第一話

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「くっそ、まだこれからだぜ――」 露骨に対抗意識を燃やすオクが、ボールチェンジに向かう。 「へへ、ちょっとトイレー」 俺も別に上手くはないが、たまに流れでバカ勝ちしたりするのが快感で、やめられない。まぁみんな同じようなレベルだ。 ちょっと喧騒から離れたトイレで用を足してると、 「アオ?」 「お?」 振り向くと、カイが隣に来た。 「最近、このメンツ多いよね? 今一番楽しいかも」 「まぁな」 盛り上がってる合間に、こういう場でとりとめのない話をするのも、悪くない。  二人っきりだし、カイにあれをちょっと試してみようか迷ったが、やっぱりやめておこう。 「どうしたの?」 カイは不思議そうに、こっちを見ていた。 「いや、別に―」 「何だよー相手が居ないからって、変な気起こすなよ?」 カイは拳で、脇を突いてきた。  「おい、やめろって! まだ最中―」
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