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「くっそ、まだこれからだぜ――」
露骨に対抗意識を燃やすオクが、ボールチェンジに向かう。
「へへ、ちょっとトイレー」
俺も別に上手くはないが、たまに流れでバカ勝ちしたりするのが快感で、やめられない。まぁみんな同じようなレベルだ。
ちょっと喧騒から離れたトイレで用を足してると、
「アオ?」
「お?」
振り向くと、カイが隣に来た。
「最近、このメンツ多いよね? 今一番楽しいかも」
「まぁな」
盛り上がってる合間に、こういう場でとりとめのない話をするのも、悪くない。
二人っきりだし、カイにあれをちょっと試してみようか迷ったが、やっぱりやめておこう。
「どうしたの?」
カイは不思議そうに、こっちを見ていた。
「いや、別に―」
「何だよー相手が居ないからって、変な気起こすなよ?」
カイは拳で、脇を突いてきた。
「おい、やめろって! まだ最中―」
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