第一話

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「なぁ? なぁ!?」  いきなり、声が割り込んできたので、ビックリした。  個室からだ。 「あ、はい?」 「仲いいな、お前ら?」 「……」 いきなり、アカの他人にそう言われても、返しようがない。 「紙がなくてさ、投げてくんない?」 「あ、紙すか?」 「そう紙」 俺はカイと顔を見合わせたが、近くにあるトイレットペーパーを手に「いきますよ?」と言って投げ入れた。 弧を描いたそれは、個室に消えていったが、何かに当たって何かが水に落ちる音がした。 ヤバい、何かマズったかと思ったが特にリアクションがなく、それからしばらくすると水を流す音が聴こえた。 ドアが開き、 「ありがと。すげーコントロールいいよ、お前?」 「いや、別に―」 満更でもないと思ったが、相手を見て血の気が引いた。 
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