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「なぁ? なぁ!?」
いきなり、声が割り込んできたので、ビックリした。
個室からだ。
「あ、はい?」
「仲いいな、お前ら?」
「……」
いきなり、アカの他人にそう言われても、返しようがない。
「紙がなくてさ、投げてくんない?」
「あ、紙すか?」
「そう紙」
俺はカイと顔を見合わせたが、近くにあるトイレットペーパーを手に「いきますよ?」と言って投げ入れた。
弧を描いたそれは、個室に消えていったが、何かに当たって何かが水に落ちる音がした。
ヤバい、何かマズったかと思ったが特にリアクションがなく、それからしばらくすると水を流す音が聴こえた。
ドアが開き、
「ありがと。すげーコントロールいいよ、お前?」
「いや、別に―」
満更でもないと思ったが、相手を見て血の気が引いた。
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