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その日も授業をさぼり桜の木の下で横になる
太陽を遮るように咲き誇るこの季節の象徴
爽やかな風が頬を撫で桜が詠い出す
「心地良い…」
眼を閉じ全身で自然を感じる…。一応高校生ね!
段々と眠気が駆け足で近付いてくる
タッタッタッ!
(ふっ音までリアルに聞こえてくるぜ)
タッタッタッ!!
そして「とおっ!」と、言う声
「とおっ?」
眼を開け桜を見る
そこにはピンク色のものが近付いてくる。やがて
「ぐおっっ!!」
暗くなっていくと共に顔に重力がかかる
「着地成功!!遅刻する~!!」
遠ざかろうとする足音に
「おいっ!!一体何事っ?」
顔を抑え上体を起こす
その声に反応するように振り返る女子高生
風が吹き二人の間に桜の花びらが舞い出す
「あれー?さっきのピンクは…?」
女子高生は顔を赤くしスカートを抑え睨みつけると此方に走って来る
「あーさっきのピンクはあんたのパ…」
「へーんーたーい~!!」
いきなり飛び上がり両足を顔目掛けて向けてくる
それがスローに見え立ち上がると飛んでくる女子高生をお姫様抱っこで受け止める
「えっ?」
「ピンクは…桜みたいで綺麗だな」
彼女にニコッと微笑みかけ上を見上げ桜に視線を向ける
状況がまだついてこない彼女も同じように桜に視界を覆われる
それが彼女との出会いだった
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