錯乱少女～サクラの季節にまた逢おう～

甘い剣

　ヘリは滋賀県長浜市に到着した。
　宵闇の草原へと着陸する。
　アルマーニの背広を着た藤吉郎が、馬に乗って駆けてくる。桜が咲きはじめている。
　刀でバッサバッサと浅井軍の兵士を斬り殺していく。「お～い!サクラァァァッ!」
　ズシャッ!「ウゲェッ!」
　藤吉郎　殺害人数 5人

　琵琶湖の周囲を桜の木が覆っている。
　この湖の底には多くの侍の魂が眠っている。
　サクラの愛していた藤堂龍馬もこの湖の底にいるはずだ。
　信長の軍勢と戦った折りに戦死している。
　サクラは不死身の魂を獲て、いろいろな時代を見てきた。本能寺で信長が死ぬのも、赤穂浪士の活躍も、坂本龍馬暗殺も、それから東京大空襲も。

　藤吉郎「宮部や磯野が仲間になってくれたぜ?」

　浅井氏の重臣である宮部ケイジュンと磯野カズマサは織田の待遇のよさに魅せられ、情報を教えてくれた。
　長政の居城が小谷城であることは分かったが、城にいることはあまりない。

　サクラは藤吉郎の胸の中に飛び込んだ。
　藤吉郎のチュッパチャップスをしゃぶった。
　チェリーな味がした。

　サクラ「スッゴく甘いよ?」
　藤吉郎「サクラのまんじゅうも柔らかいのぉ?」
　サクラ「それで長政はどこにいるの?」
　藤吉郎「夜の間は戦隊ヒーローをしてるらしい」
　サクラ「忍者戦隊カクレンジャー的な?」
　藤吉郎「偽善戦隊テンプマンってゆーらしい」

　サクラは掌から熱を放射する能力を保有している。藤吉郎の食べているチュッパチャップスは市松製菓で開発したもので、熱を加えることによって固くなる。
　チュッパチャップスが剣のように変形した。

　藤吉郎「ケイジュンによれば長政は湖北町にある、オメガってクラブに身を潜めているようだ」
　サクラ「イクイクイク!クラブにイクイクイク!」

　夜更けの湖北町は妖しげな連中がたむろしている。4月だというのにフードをかぶっている奴もいる。浅井の刺客だろうか?それとも……………………。
　オメガの扉の前に近づく。
「お姉さん、何かよう?」
　ボーイに熱波を浴びせて気絶させた。
　ギィィィィ……………………扉を開けた。