11人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
「……これがあんたの答えに役立つの?」
「うん、すごく。」
「なら……いいけど。」
佳保は海に聞こえないよう、小声で呟いた。
そして海の告白を受けて佳保は、心を決めた。
自分も海に思いを伝えようと。
ずっと顔を逸らしていた海の方に振り返る。
「海、私…」
瞬間、佳保が見たのは金槌を手にした海の姿。
大きく振りかぶって、それは降り下ろされた。
「参考になる答えをありがとう。」
遠退く意識の中で、返り血に染まった桜が一段ときれいに感じた。
最初のコメントを投稿しよう!