桜の木の上

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「……これがあんたの答えに役立つの?」 「うん、すごく。」 「なら……いいけど。」 佳保は海に聞こえないよう、小声で呟いた。 そして海の告白を受けて佳保は、心を決めた。 自分も海に思いを伝えようと。 ずっと顔を逸らしていた海の方に振り返る。 「海、私…」 瞬間、佳保が見たのは金槌を手にした海の姿。 大きく振りかぶって、それは降り下ろされた。 「参考になる答えをありがとう。」 遠退く意識の中で、返り血に染まった桜が一段ときれいに感じた。
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