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彼はチョコレートが好きだからチョコレートで何か作ってあげようと思っていたのを思い出したのだ。製菓用のアルミ箔の袋を開けてテーブルに並べた。
これに手作りチョコレートを包んであげようなんて思っていた自分が哀れで、また涙が溢れた。
カバンのペンケースから油性ペンを出した。一緒に100円ライターも見つけて、更に悔しさと悲しさがわいてくる。
捨ててやる。
でも、私のものを傷つけたり捨てたりしたくない。女は打算的でこんな時も変な心理が働くものなのだと少し笑えた。
アルミ箔に彼への想いを書きなぐっていく。
バカ、ウソつき、許さない。
あっという間にアルミ箔は彼への罵倒で埋まっていく。
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