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そこからの私の行動は早かった。
黙ったままの彼に一方的にもう会わない、謝罪も受け入れないと部屋から追い出した。
ベランダに置いてあった灰皿も押し付けたのに受け取ってもらえなかった。
彼への冷めた態度は自分を見失わないためだった。
ドアを閉め、鍵を回す。施錠音が彼に聞こえるようにわざと激しく回した。
彼がドアの前から去っていく気配を感じた。
私はドアに額を付け、涙を落とした。
ポタリといくつかの水滴が玄関に落ちた。裸足の足の甲にも落ちてひやりとした。
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