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後は封の開いたチョコレートだ。
灰皿に乱暴に出した。食べる気にはなれない。女の子の嬉しそうな顔が甦ってくる。
奥さんや娘さんに罪はない。もちろん、このチョコレートや捨ててしまったお菓子にも罪はないがどうしても食べようと思えない。一緒に返してしまえば良かったのにと後悔しても遅い。
灰皿に出したチョコレートを眺めているうちにアルコールを吸収した身体が少しずつ酔い始めた。
我慢していた感情が徐々に溢れ始める。
声をあげて泣いたと思ったら、悔しさがこみあげてきて腹が立ち、テーブルを拳で叩いて痛みに顔をしかめた。
ふと思い出してキッチンの引き出しからあるものを出してきた。
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