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「別れよ」
「え…」
「バレてないと思った?」
満那樹の気持ちが僕から離れてることも他の誰かにその気持ちが向いてることも
「…」
「好きな人、いるんでしょ?」
ずっと見てるんだからバレないわけないじゃん
「…ごめん」
「…謝らないでよ 好きでいさせられなかった僕も悪い」
お互い様、なんて強がりだけどこうでも言わなきゃ泣きそうだから
「…ごめん ほんとにごめん それから…ありがとう」
「…こっち、こそ ありがと」
やば 声 震えた
「…っ じゃあ バイバイ 満那樹」
「…じゃあな 緋那都」
満那樹はそういって歩きだす
僕も満那樹とは反対の方向に歩きだす
けどやっぱり悲しくて振り向いても見えるのは後ろ姿だけ
思い出がいっぱい詰まった桜の花は無情にもキレイに咲き誇っていて
もう見たくなくて下を向いて桜並木を抜けた
いつか桜を笑って見れるだろうか
見れたとしてもその時はまだ大分先
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