駆けるさくら

5/6
前へ
/12ページ
次へ
「瑞穂。 今度、東京に行こうか」 ゆっくり時間を使って出てきた言葉はそれだけ。 しかし、それだけで全てが伝わる。 「えぇ」 彼女が涙混じりに答えたのが、伝わってくる。 彼女は太陽。 自分という冬に春を教えてくれた優しい光。 だが、その太陽が一番輝くのはやはり夏。 季節は動かさなければならない。 あたたかな春から、輝く夏へと。 彼女が、心から輝けるように。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加