追憶のさくら

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今なら、「うん、止めようか」と言えば、彼女は引き返すかもしれない。 でも、このあたたかな春を自分はもう手放せない。 一度知ってしまった春を手放すなんて事が出来るはずがない。 「大丈夫。 こうするしかなかったし、きっといつかご両親も分かってくれる。 なにより、俺には君が必要だから。 だから、ずっと側にいてほしい。 だから、一緒に行ってくれないか」 胸の中で、彼女が頷いた。
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