第四章

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津山30人殺しの犯人である都井睦雄には実は隠し子がいるのではないか? と言われている。 この事件が起こった村落は「夜這い」の風習が残っている地域としても知られていた。実は事件の大きな動機の一つがこの夜這いという風習に関係があるのではないかとも言われている。 都井睦雄は徴兵検査で丙種合格を宣告されてる。「合格」とは聞こえがいいが、実際のところは、結核が見つかったために下された「不合格」のような扱いである。 当時はお国のために働くことのできない(つまり兵隊として従軍できない)人間は役立たずであるとみなされ、このころから都井は夜這いに行っても拒否されたり、村人から嫌がらせを受けることが多くなった。 この一連の出来事が事件の引き金になったと考える人は多い。 しかし、事件直前に不可解な離縁と結婚をした女性がいた。 この女性は都井とは別の男と結婚していたが、都井と夜這いの関係にあったという。 結局この男性は離婚するのだが、その直後にまた別の男と再婚しているのだ。 この急な結婚の裏には、都井の子供を身ごもっていたのではないかとの推理がある。 そのことがばれないためにも、女性は新しい男との結婚を急いだのではないだろうか? 女性は事件から間一髪逃れ、その半年後に出産をしている。
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