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「お母さん、よく言うよね」
檸檬の母親は全員を見渡して、
「本屋を長年していると、作家さんとお話することがあるんです。ある作家さんが、書いた本の内容に満足してないのに本が売れてるので、今後どのように書いたらいいのか悩んでいるので、本屋の立場から何かアドバイスしてほしいと言われた事があるの。少し悩んで、物の価値は作った人、書いた人が決めるのではなく、受取側が決める事だから、お客さんが求めてる事をよく見極めて、自分が納得いく本を書いてはいかがですかと、アドバイスしたんです。それから価値は受取側が人がきめるものと長年言ってきました。・・余談ですが、その作家さん今ではベストセラーを連発している作家さんなんです」
檸檬の母親の話に皆が聞き入っていた。食事会は全体的に、ほんわかした雰囲気に包まれて、皆、笑顔で食事をしていた。
食事会も終わりマンションへ向かっているとき、優美が運転しながら考え込んでいるようだったので、話しかける事もなく助手席で、俺はボンヤリと流れる景色を見ていた。
「・・・ねぇ、りょう・・・私の価値は何?」
優美が突然質問を投げてきた。
「・・・・っふへ!」
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