0人が本棚に入れています
本棚に追加
深緑の季節が過ぎ桜の木の葉もいつしか散り雪が舞うようになった。
それでもサクラは毎日桜の木の下まで来てパパさんの回復をお祈りしに来ていた。
「パパさん元気になって下さい。サクラの命をあげますから」
サクラはいつしかそうお祈りするようになっていた。
桜の木は知っていた。パパさんの命が短いことを。でも毎日目に涙を溜めながらお祈りに来るサクラを見てたら本当のことが言えなかった。
「私はただの桜の木だから何も出来ない。すまないね」
「一緒にお祈りしてくれるだけでもサクラは嬉しいよ。パパさん元気になって下さい」
サクラと桜の木は毎日祈った。
最初のコメントを投稿しよう!