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「サクラ、今日もお迎えありがとね」
パパさんはすっかり回復しいつもの日常を取り戻した。
サクラも毎日お迎えに来ていた。
でも一つだけいつもと違うことがあった。
「今年はこの桜の木が咲かないね」
パパさんは寂しげに葉桜を見上げた。
「この桜の木はね、昔ママさんへプロポーズした思い出の木なんだよ。そしてお前を拾ったのもこの桜の木の下なんだ。だからサクラと名付けたんだよ」
ミャー。
サクラ、良かったね。私は咲かなくなっても大好きなパパさんが元気になればそれで良いんだよ。大好きなサクラの笑顔が見れたらそれが嬉しいんだよ。
サクラ、これからもパパさんと仲良く元気でね。
サクラは声が聞こえた気がしたがそれを最後に二度と桜の木の声を聞くことは無かった。
サクラは桜の木にすり寄りありがとねと呟いた。
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