0人が本棚に入れています
本棚に追加
僕は、とある桜を見に行った。
誰も来ないような山の奥。
その山は一面緑だが、僕だけしか知らない桜の木がある。
「やあ。」
僕は桜に話しかける。
「今年も綺麗に咲いたね。」
枝が風で揺れて返事をしたように聞こえる。
それだけで、僕は十分だ。
僕は桜の木の下に腰掛け、いろいろな話をした。
近所の猫になつかれたとか、先生に褒められたとか。
話をしていると時がたつのは速い。
「また、来るからね。」
僕は立ち上がり桜の幹に触れて言った。
また、来るから、絶対に。
だから、忘れないでね。
サクラ。
最初のコメントを投稿しよう!