1. カオリ、ニューヨーク、恋愛

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so....What brought you to NYC? (どうしてニューヨークに来たの?) と、今だに聞かれると、少し戸惑う。 ニューヨークに10年以上も住んでいると、当初持っていたであろうあの新鮮な気持ちも、ここへ来た理由も、もう覚えていない。 私の名前はカオリ、25の時ニューヨークに住み始めた。 現在38歳。ミッドタウンの西側の辺りに住んでいて。アパレル会社勤務でアクセサリー部門を担当している。 日本の男性や、ジャパニーズアメリカン(アメリカで育った男性)とお付き合いしていた頃もあったが、日本人男性との出会いは年齢と供に減少気味で、日本人で同世代ともなると妻子持ちの駐在員の方々が多い。もちろん彼らとの出会いも無く、今では日本人男性と話す機会があると、逆にドキドキしてしまう。 ニューヨークに住み始めた頃は日本人と付き合う事が、当然の事と思っていたけれど、時間が経つと供に、どこの国の男性であろうとも男性は男性であって、ある程度自分のタイプは保ちつつも、そこには境界線が全く無くなって行くの事には自分の中の女性としての適応能力の高さを感じる。 周りの友人達は、結婚をしている子もいるし、キャリアに専念しすぎてアラフォーになっても未婚の子達もいるし(私を含めて)、結婚や恋愛自体に全く興味のない子もいる。 ここ数年でどんどん変わってゆくデーティングシーン(snsのせいか、お陰か)簡単に出会えるからこそ簡単に終わる希薄な人間関係、だからこそ生まれる沢山の個性的な男性達との出会い。 日本で暮らしていたら、なかなか出会うことの無かったであろう様々なタイプの女性達との出会い。 大人、デート、となったら外せないあの事と、恋愛が不得意な私の勝手な恋愛観。独断と偏見そして葛藤。 もちろん、私も25歳のあの時、ニューヨークに渡らず、あの当時付き合っていた男性と結婚していたら、その時の酔っぱらった彼氏に「何でニューヨークに行っちゃうの!」と渋谷の街中でゴミの収集所に突き飛ばされることも無かったし、こんな経験はもちろんしていなかっただろうし、全く違う人生を歩んでいた事はわかる。 だとしたら反対に、もしあなたがニューヨークに25歳から住み始め、アラフォーまで未婚でマンハッタンで恋愛、婚活をしていたらこんな感じだったのかもしれない、と思って読んでもらえるといいなと思う。   
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