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「え、わっ! びっくりした。花織いつの間に……」
心底驚いたという体で胸を押さえ、もう片方の手はあわててスマホケースを閉じていた。
「?」
音にも気配にも気付かないほど何に熱中していたのだろう。
(っていうか、今なにか……隠した?)
「あ、まだドライヤーしてないじゃん。風邪ひくよ?」
いつもどおり優しげに微笑みかけてはくれるが――。
あからさまに携帯を隠すという初めての挙動に、微かに胸がざわつき始める。
「ん、どうした?」
グラスを持ったまま固まっていると、春馬が冷蔵庫前まで心配そうに歩み寄ってきた。
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