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「あ。お義姉さん。来てたんですね。いらっしゃい」
いつも通り整いすぎた顔でえらく朗らかに義弟くん。
疑惑と憐れみ半々の表情で指さすこちらの意図には気付きもしないらしい。
「ぼーきゅーん!」と叫びながら(未だ変な呼び方は抜けていないらしい……)遅れてとてててと走り寄ってきた姪にも、しゃがみ込み、常と同じく満面の笑みで撫でくり攻撃を開始していた。
「お……おじゃましてます。というか、あれ? 義弟くん今日は当直なのでは?」
「ですです。ちょっと忘れ物とりにきただけで」
またすぐ出まっす、と撫でくりを中断して上がり込んだところに、ちょうど柚葉もリビングから姿を現した。
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