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楽しい会話を遮って本当に申し訳ないとは思うが、彼は忘れ物を取りに来ただけでまたすぐこの場を去ってしまうのだ。
さっさと聞きたいことを聞いておかねば! 許せ妹たちよ!
「何ですかお義姉さん。え、なんか怒ってます?」
たいして驚いたふうもなく、わずかに笑いを含んだまま彼は見下ろしてくる。
「もし! もしもよ? もし彩香がさ、急に太ったら――どうする?」
「? どうもしないですね、たぶん」
ほとんど間を置かず、キョトンと、だがはっきりと義弟くん。
太れるもんなら太ってほしいくらいッスけどね、特に胸のあたり……とつぶやいた瞬間、ぺちっと威力の無さそうな平手が下から入っていた。
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