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軽く拭いただけの髪の毛をそのままタオルでくるくる纏め、ミネラルウォーターを求めてキッチンへと向かう。
いつもはすぐにドライヤーの出番なのだが、今夜はやたら喉が渇いてしょうがない。
湯舟であれこれ悩みすぎてのぼせてしまったか。
――――と。
キッチンから見渡せるリビングで、春馬がスマホを手に座っていた。
ということは思いのほか早く娘を寝かしつけられたのだな、と安堵する。
彼の絵本の読み聞かせも上達してきたのだろう。
「何か調べもの?」
風呂上がりの妻にも冷蔵庫の開閉音にも反応せず食い入るようにスマホ画面を見ている春馬に、思わず声をかける。
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