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何度考えを巡らせても思い出せない。
わからない。
一向に呼び起こされてこない昨夜からの記憶と、そして……。
そして……見覚えのない部屋の見覚えのないベッドにいる自分が、なぜ裸なのかということ――――。
(……と、いうことは)
壁紙と同じアイボリーの天井を睨んでいた視線を、ちろりとすぐ傍らに落とす。
(こちらさんに訊くしかないのか……)
細心の注意を払って目線だけを動かしたにも関わらず、どんよりと前頭部に停滞した痛みがいっそう激しさを増して波のように打ち寄せてきた。
「いっ……たたたた……」
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