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朝練後の部室は、どこか落ち着きがなかった。
特別誰がとかそういうわけではなく、雰囲気が騒がしかった。
強いて言うなら後輩の浜田の表情がうるさかった。すべてを物語っているそれをみて、俺は思わずそれを見て吹き出してしまった。
「ん?どした?」と声をかけてきた秋本の方を振り返る。
思わず「おぉ」と声が出た。
「まだ朝なのに誰からもらってきたわけ?」
俺がそう言うと、浜田の顔色が変わった。
一切口を開いていないし、一切言葉を聞いていないのになんて騒がしい野郎なんだろう。
「ん?いいだろ?」
自慢げにそう言ってきた秋本に、俺は「羨ましい」と返した。
「秋本のいつも義理ばっかじゃん」と別の部員が口を出す。
「いやいや、0の浜田よりいいだろ」
「そうだけど」
「そりゃ聞き捨てられないセリフっすよ!?」
とうとう浜田が口を開く。
部員達がどっと笑った。
「んじゃ、浜田が今日何個もらってくるか、賭けな?」とからかう秋本に浜田が食いつく。
オークションみたく部室の至る所から数字が飛び交い、全員でホームルームに間に合うか間に合わないかというぎりぎりを味わった。
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