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「兄様が怪我をしたり悪い奴らが来た時、兄様をお守りするのはルナだよってお話してたの」
ニコニコと満足気に話すルナにソレイユは小首を傾げ、じぃやを見る。
「未来の話ですじゃ」
ニコニコと微笑むじぃやの言葉に己とルナの10年後の事だとすぐに察したソレイユ。
「ルナは沢山じぃやに教わって強くなるのよ」
自分を一途に思ってくれる妹の存在を可愛く思わないわけがない。
嫌でも口元が緩む。
「私も負けぬぞ。ルナが私を守ってくれるなら、ルナを真に守る龍が現れるまでルナの事は私が必ず守ろう!」
「…龍が、現れるまで??」
ソレイユの言葉を理解しきれずルナが少し不安げに小首を傾げるが、ソレイユが首を横に振る。
「深く考えなくて良い。ルナが私を守るならルナの事は私が守ると言ったんだ」
「うんっ、約束ね!」
改められた言葉に満面の笑みを浮かべるルナ。
それを微笑ましく見つめるじぃや、それに侍女達。
「では私は戻る。侍女たちに迷惑を掛けるんじゃないぞ。そして明日のお茶の時間は一緒に過ごそう」
「はいっ!」
とびきりのプレゼントを貰ったかのように喜ぶルナ。
お互いの決意も新たに、降龍の儀式前夜の誕生祭の夜は更けていった。
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