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神龍が身体に馴染むまで数日。
それからはじぃやが指導のもと、修練の日々が続く。
ソレイユは公務のない時間はほぼ修練に費やし、ルナは勉学、寝食以外の時間は全て修練に費やした。
特にルナは魔法以上に武術に力を入れ、剣、槍、弓など、基本の武器は全て使えるように鍛錬していった。
その中でも弓は命中率が恐ろしく高く、ルナ自身も弓に自信を持った。
そして誰が止めても聞かず、一心不乱に武を磨き、手にはマメが出来て血が滲み、顔や体は汗と汚れでドロドロになった。
しかしルナの動きは美しく、混色の髪が宙を舞い、前髪の間から唯一無二の真紅の瞳が覗けば、兵たちは息を呑んだという。
指南役の猛者達も年齢を重ねたルナに、どんどんと倒されていった。
18歳の誕生日を迎える前日も、同じようにルナは修練場で汗を流していた。
「やはりここにいたか…」
少し呆れ混じりの声に振り向けば、真紅の髪を後ろで1つに束ねたソレイユが立っていた。
「兄様!」
素振りを辞めて袖で軽く汗を拭うと、ルナはソレイユに歩み寄った。
「ご公務はもうお済みなのですか?」
「お前まで私に机にかじりつけと言うのか…。少し散歩をしているのだ。…気分転換だ。」
少し眉間に皺を寄せるソレイユにルナは苦笑う。
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