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「明日で互いに18歳か…。1日がすさまじく長く感じる時期もあったが、総じては早やく感じたな…」
「ええ。けれどまだまだ修練が足りません。もっと強くならなければ…」
青い空を見上げてつぶやくソレイユにルナが答える。
「武術では恐らく、もぅこの国でお前に勝てるものはおらぬぞ。私も純粋な武術だけではお前には勝てぬ」
「兄様を守る力です。この国より出ればもっと強い方が5万といらっしゃいますよ?この国は他国よりも条例が厳しく、それ故に平和だと聞きます」
「そうは言うが、私はお前を守りたい。盾になどならんで良い。何故男女の理に反し私が妹に守ってもらわねばならないのだ…」
ルナの主張は嬉しいがソレイユの心境は複雑の為、小言が漏れる。
「…お気持ち、ありがとうございます」
このやり取りは昔から行われている。
何を言ってもお互い平行線を辿るため、ルナが折れるようにして避けるのだ。
「……少し体を動かすか…」
ぽそりと言ったソレイユにビックリしてルナは目を見開く。
「何だ、信じられんような顔をして」
「いえ、兄様から誘って頂けるなんて珍しいと思いまして」
ソレイユの言う通り、純粋な剣だけの勝負では長期戦になるとソレイユはルナに敵わない。
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