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「久しぶりに体を動かすのは良いな…」
「楽しかったです」
危惧されたソレイユの発作も起こらず、ルナは小さく肩の力を抜いた。
休憩を挟みながらだったが、試合を思う存分楽しんだ2人の全身は汗と泥まみれ。
とても城内を歩ける風体ではなくなってしまっていた。
「水龍て洗ってくれるか?乾かす方は引き受ける」
ソレイユの言葉にルナは片手を頭上にふわりとかざし、自分とソレイユの汗や泥を洗い流した。
その瞬間に温かい炎が2人を包み、濡れた体を乾かしていく。
「では明日、両親への目通りの前に迎えに行くから待っていてくれ」
「わかりました。お待ちしてますね」
早々に脱ぎ捨てていた上着やマントを着て、ソレイユは来た道を戻っていった。
残されたルナはソレイユの背を見送った後、小さく呟いた。
「この国は…兄様は、私がお守りいたします」
その決意は真っ赤な夕日にしっかりと吸い込まれていった。
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