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「…ひ…、………め」
「……ん……」
「…姫、………姫!」
「……あっ!」
軽く肩を揺らされて、目が覚める。
「大丈夫?疲れてる?」
グレンとの夜番で眠ってしまったのだと、起きたての頭で理解をする。
「すみません、眠ってしまったのですね」
「少しの間だったし大丈夫。もうすぐ交代の時間だから起こしたんだ」
肩には毛布が掛けられていた。
グレンは少しというが、かなり眠っていたのではないだろうか。
そして見ていた夢を思い出す。
「……夢を…見ていました」
「夢?」
「はい。小さい頃から旅に出る前までの記憶の夢でした。18歳の誕生日の日、父達の前で旅に出る事を宣言したんです」
「わ〜…。ソレイユの驚いた顔が安易に想像できる」
「ええ。とても驚いていましたね」
「夢の内容を聞いても?」
「つまらないかもしれませんが…」
そう前置きし、シオンは掻い摘んで8歳の頃からの話をする。
「この夢を見れて、昔の気持ちを改めて思い出せて確認できて良かったです」
「俺もソレイユと姫の夢にシッカリ乗せてもらってるからね。頑張ろう」
そう言ってグレンはニッコリと微笑む。
「はい!」
1人ではない。
心強いグレンの言葉に、安心感に、シオンは大きく頷いた。
〜*Fin*〜
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