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「だって恥じらいなんて言われてもわかんないもの!ルナはみんなの所へ行ったら恥ずかしいの?」
ルナの問にじぃやは瞳を閉じ、ゆっくりと首を横に振る。
「ひぃ様は外に出ても何も恥ずかしい事などありません。しかし、ひぃ様はそろそろお年頃。年若い娘が若い殿方の目に触れるのはあまり良くないのです」
「う~~…。何で良くないのかわかんない…」
「もう少し成長されたら、教育係に聞いてみるとよろしい。じぃやからはここまでしかお話できませぬ。しかしもう1つ」
少し真剣な瞳になったじぃやに、ルナも少し背を正す。
「ひぃ様は女の子です。明日、龍を宿されるとてまだ使いこなせるわけでもない。まだお強くもないひぃ様を攫い、この国を国王を困らせようとする者は沢山います」
「そんな!」
「いいえ。目に見えてないだけで沢山いるのです。じぃやは沢山見て参りました。ですから、次期王になるソレイユ様はお顔を隠すことは出来ませんが、ひぃ様だけでもお顔を隠し、自分の身は自分で守れるようになるまでお守りしたいと言う王のお考えなのです。これは解りますね?」
「うん…」
いつも優しい顔のじぃやの真剣な瞳と声。
これが嘘ではないことくらい幼いルナにもわかった。
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