9人が本棚に入れています
本棚に追加
姉が帰ったあと、千穂理は2階の自分の部屋に上がって押し入れの中をあさりだす。
几帳面な千穂理は中学になるとすぐに、
小学生の頃に大切にしていたものを段ボール箱に封印していた。
姉には黙っていたが、バレンタインデーにチョコを作ったことは思い出した。
ただ、男子に振られた記憶はないし、好きな男子が兜だったという記憶もない。
「小学3年の時に、何があったのかしら……。これだ……」
引っ張り出した箱には、『開けるな。危険』と書いてあった。
母親や姉が開けないように書いたものだ。
封印した想い出を開けるのは6年ぶりだ。
最初のコメントを投稿しよう!