想い出

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姉が帰ったあと、千穂理は2階の自分の部屋に上がって押し入れの中をあさりだす。 几帳面な千穂理は中学になるとすぐに、 小学生の頃に大切にしていたものを段ボール箱に封印していた。 姉には黙っていたが、バレンタインデーにチョコを作ったことは思い出した。 ただ、男子に振られた記憶はないし、好きな男子が兜だったという記憶もない。 「小学3年の時に、何があったのかしら……。これだ……」 引っ張り出した箱には、『開けるな。危険』と書いてあった。 母親や姉が開けないように書いたものだ。 封印した想い出を開けるのは6年ぶりだ。
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