1

2/2
4012人が本棚に入れています
本棚に追加
/1089ページ
仕事の帰り道 会社のある駅にあるコーヒショップに立ち寄るのが私の日課 いつも座る席は、駅が見える窓側の席 カフェラテを飲む 何をするわけでもない ただ……窓の向こうにある人が歩いて来るのを見ているだけ ーーーーそれだけで幸せだった 私がカフェラテを飲み終わる頃、彼の姿が見えた 私は見ているだけで満足なのに 彼は、店舗内までやって来て私に声をかける 「何してるの?」 「休憩……」 いつもと同じ言葉をかけ、私の頭をクシャて触って 「じゃあ」 と言って、彼は去っていく それだけの関係…… 彼は今から、仕事に戻るのか? 彼女の所に行くのか? 私にはわからない…… 彼は何も喋らない ただ『私を守りたい』と言うだけ それが、どういう意味なのか 今の私にはわからない
/1089ページ

最初のコメントを投稿しよう!